早稲田松竹~ミニシアター入門~

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シアター名:早稲田松竹

場所:高田馬場

座席指定:なし

ドリンクホルダー:あり

荷物フック:なし

傘立て:なし

食べ物:なし

飲み物:自動販売

アルコール:なし

マナー:トイレで手を洗わない人が多い

  

2本立て名画座、レイトの時間帯までやっているので意外と重宝する。HPの混雑予想は割と経験則で書かれているので、たまにハズレたりするのはご愛敬。どう考えても集客が見込め無いような昔のマイナーな文芸映画を上映したりする偉い映画館。でもなんだかんだで人は入っているので映画オタクってすげーなって思うけど、冷静に観察すると行く場がなくて映画館に来てしまう高齢者が結構な数いる。憩いの場としても機能してるのね。名画座はお年寄りに優しいものね、お願いだからトイレでは手は洗おうね。超高齢化社会を目前に右肩上がりが予想される、シネコンの真逆を行く時代のトレンド。 

 

~ポイント~

近くに早稲田大学がある関係で駅前の早大生がうるさい。夜の飲み会後の大騒ぎがとにかくメンドクサイので、東西線で駅前を避けるのが常套手段。4月の新勧コンパの時期はそもそも行かない。

ユジク阿佐ヶ谷~ミニシアター入門~

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シアター名:ユジク阿佐ヶ谷

場所:阿佐ヶ谷駅5分

座席指定:なし

ドリンクホルダー:あり

荷物フック:なし

傘立て:入口にあり(鍵無し)

食べ物:お菓子、ジェラート

飲み物:コーヒー、ジュース

アルコール:なし

マナー:変な客を観たことが無い

 

 

俺たちのユジク!基本的には2番館なので、他のミニシアターで話題になった作品が上映される。ハリウッド映画から邦画の小品までカバー率が高い。よそで話題になった作品を見逃してしまっても、大抵ユジクが拾ってくれる安定感。守りの要。アニメーション映画にこだわりがあり定期的に上映。特にチェコアニメ、アマールカちゃんを上映してくれる世界で1番えらい映画館。

 

 

~ポイント~

阿佐ヶ谷の住宅街にポツンとあるので、辿り着けない人は絶対に辿り着けない。時間に余裕をもって行動しよう。そもそも1日1回上映が主なため、チケット完売速度が恐ろしく早い。WEB予約も無いので、ツイッターの座席状況を逐次チェックは必須。1週か2週で容赦なく次の作品に切り替わるので、見逃す作品多数。

座席が比較的チープなので、体を動かすと椅子が軋む音がする。静かな作品を観てるときは結構気になる。席によっては前方座席と距離が近くて足を延ばせない。見上げる首に自信があれば最前列がオススメ。トイレが1個しかないので、腹痛オジサンが1人いると詰む。お世辞にも良い環境とは言えないけど、上映作品が良すぎるので今日も俺たちはユジクに向かう。マウントレーニアが250円するのは疑問だけど、阿佐ヶ谷シンチェリータのジェラートが置いてあるのでマストバイ

岩波ホール~ミニシアター入門~

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シアター名:岩波ホール

場所:神保町駅

座席指定:なし

ドリンクホルダー:なし

荷物フック:なし

傘立て:なし

食べ物:なし

飲み物:自動販売

アルコール:なし

マナー:年齢層が高く、居眠り以外はとても良い

 

唯一無二、採算度外視、いつもガラガラ、稀に激混み。大手シネコンが敬遠する世界の隠れた映画を、月1ペースで僕らに紹介してくれる貴重な映画館。近年はジョージア映画に全力投球中。毎月1日の映画の日くらいしか割引日がないので、気が向いた日が鑑賞日。

 

~ポイント~

文化系マダム達が主な客層のため昼間が混んでいる。夜に行けば空いているのでオススメ。年1くらいで突然連日満員の大ヒット作が出てくるが、何がヒットするか誰にも読めないので、HPの混雑状況のチェックをお忘れなく。WEB予約ができないので、直接映画館窓口まで行く必要があるが、マダム達は朝が強いので厳しいチケット争奪戦が展開される。ご夫婦で無理やり連れてこられた旦那は大抵寝るのでイビキがうるさい。

あまり動きたくない年配者が多いせいか、入り口付近の席や列が埋まりやすい傾向にあるので、反対側にまわると通路側の席が確保しやすい。エコノミー症候群対策で飲み物の持ち込みは許可されている。売店の代わりに自販機がある。定価販売なので安心。紳士はここでブリックを飲むのが正しいマナー。

ル・シネマ~ミニシアター入門~

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シアター名:ル・シネマ

場所:渋谷東急Bunkamura 6F

座席指定:あり

ドリンクホルダー:なし

荷物フック:なし

傘立て:なし

食べ物:あり

飲み物 :あり

アルコール:あり

マナー:良い、みんな裕福そうで余裕がある

 

さすがBunkamuraの映画館、アート映画というよりアートを題材にした映画が多い。客層も渋谷の映画館とは思えないほど落ち着いているので、渋谷の喧騒が嫌になったらル・シネマに逃げ込もう。料金の安くなるサービスデーが火曜日なので、近隣の水曜サービスデーの映画館と訪問スケジュールを調整しやすい。

 

~ポイント~

オンライン予約ページがBunkamura施設の共通の予約ページとなっていて、中々映画の予約ページに辿り着かない。利用には会員登録が必須であり、登録すると定期的にメールマガジンが送られてくる。映画の情報ならまだしもBunkamura全体の情報メールなので、美術館とか演劇とか多様な興味のない情報が正直迷惑。

コンセッションではドリンク類も販売しているが、あくまでホワイエ形式なので蓋つきの飲み物以外は館内に持ち込めないので中に持ち込めないドリンクが多い。持ち込めない飲み物を販売しているのは、知る限りル・シネマだけ。Bunkamuraは無法地帯の渋谷の中でも例外的なセーフエリア。以前財布を落としたらそのまま無事に戻ってきた事がある。

トイレに入るといきなり下り階段。面白いから皆も確認してみてね。

 

~コンセッション~

バリ高い。アルコール販売も有り。蓋付きじゃないから館内に持ち込めない飲み物に関しても、自分で蓋つきの水筒を準備してキチンとお願いすれば持ち込める気もする。確認してないけど。

2017年映画ベスト10

2017年は沢山映画を観た。本数にして158本も映画館で観ていた。違う、重複や短編は除いているから本当はもっと観ている。でもそのうち半分くらいは別に見なくても良かったかなって思ってるよ。

恒例のベスト10の発表と駄文を書いていくので、お付き合いください。

 

1位「アンダーグラウンド完全版」

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エミール・クストリッツァ監督の最高傑作が完全版になって帰ってきた!

5時間半くらいの長尺が気にならない密度。通常版では想像力で補完していた細部が、きちんと映像で観られる喜びに悶絶したので1位です。2017年1位ではなく生涯ベスト1。通常版=短縮カット版みたいなものなので、迷わず完全版を観よう。

 

2位「アメリカン・スリープオーバー」

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下北沢のトリウッドで以前に上映してたみたいなんだけど、アップリンクで去年観たのでランクインさせてみた。湖畔のダンスや双子と走り出すシーンなど鮮明に焼き付いているよね。

冒険を期待して大人へ急ぐ、後で気づいても2度と戻れないのに。10代の神話。

 

3位「スリー・ビルボード

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東京国際映画祭は良作の宝庫だった。今年も通い詰めようと思う。マーティン・マクドナー監督は舞台演出出身なだけに感性が演劇寄り。この映画の何がいいってラストの空気が良い。余韻が良い舞台を観た後の清涼感そのもの。

 

4位「怪怪怪怪物!」f:id:kiratta:20180115213845j:plain

 これも東京国際映画祭で観た映画。本当に豊作の映画祭だった。今年ランクイン予定だった「狂覗」のラストシーン以上のカタルシスがあるラストだったので、入れ替えでランクインさせた。全てが崩壊する中での主人公の絶叫シーンは、今年観た映画の中でも断トツの叫び。

 

 5位「ガルパン最終章」

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そど子を主観映像で追いかけるシーンだけを2時間ぶっ通しで観たいよね。

大洗にふるさと納税しました。

 

6位「ダーティ・グランパ」

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タクシー・ドライバーよりもこちらの方がデニーロの代表作になりそう。自分の人生の格言になりそうなメッセージを受け取ったので、殿堂入り。デニちゃん体張るなぁ。

 

7位「トリノコシティ」

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2017年のダークホース枠。

SF的なギミックがファンタジーな世界観と混ざってカッコいい。「グシャノビンヅメ」の山口ヒロキ監督の最新作。実際のツイッターで展開するサブストーリーなど、サービス要素も沢山!

 

8位「笑う故郷」

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2017年の岩波ホール枠。記憶に残らないダメ邦題。

内容はガッツリエンタメ寄りのサスペンス映画で、午後9時から地上波で放送して欲しいくらい万人受けする映画だと思う。岩波ホールのご年配しか観ないのが残念無念。

 

9位「カンフー・ヨガf:id:kiratta:20180115232229j:plain

すごいものを観た。それが何であったのか、まだ言葉にできない。

 

10位「グレートウォール」

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潤沢な予算があるのならば、今まで観たことの無いような映像を観たくなるわけで、それが出来ていない大作映画が多い中、フレッシュな映像を沢山見せてくれたこの映画を誉めないわけにはいかない。というかこんなトンデモ映画、誰も止めなかったのか。中国とハリウッドが手を組んだスケール感、敵無しじゃないか。

 

以上!

最後に今年観た映画の一覧を貼っておきます。(順番は思い出した順)

カンフーヨガ
ノクターナル・アニマルズ
マノロブラニク トカゲに靴を作った少年
ドリーム
トリノコシティ
スモーク
目撃者 闇の中の瞳
俺の獲物はビンラディン
52Hzのラヴソング
斉木楠男の災難
スイスアーミーマン
戦ふ兵隊
日本の悲劇
世界を変えなかった不確かな罪
まともな男
ガルパン
イージーライダー
ヘドローバ
希望のかなた
ル・アーヴルの靴磨き
セントラル・インテリジェンス
名倉チームが解散する日
はじまりの街
ソニータ
パーティーで女の子に話しかけるには
ギフテッド
先生!好きになってもいいですか
KUBO
女神の見えざる手
全員死刑
シンクロナイズドモンスター
シネマ狂騒曲 名古屋映画館革命
狂覗
立ち去った女
グレイン
リーナラブ
スパーリングパートナー
スリービルボード
キリスト
MUTAFUKAZ
勝手にふるえてろ
ケンとカズ
エスパー真美 星空のダンシングドール
アケラット ロヒンギャの祈り
怪怪怪怪物!
アリフ・ザ・プリンセス
鋼の錬金術師
悪魔の起源 ジン
マングラー
悪魔のいけにえ
インランド・エンパイア
マルホランド・ドライブ
エレファントマ
デンジャラスドックス
笑う故郷
戦争のはらわた
サーミの血
逆光のころ
オン・ザ・ミルキーロード
IT それが見えたら終わり
ゲットアウト
アンダーグラウンド完全版
パターソン
ドライヴ
ネオンデーモン
オンリーゴッド
マイライフ・ディレクテッド・バイ・ニコラス・ウィンディング・レフン
ブレンダンとケルズの秘密
フリー・ファイヤー
ナイト・オブ・ザ・リビングデッド
スキップ・トレース
ゴッドファーザー・オブ・ゴア
新感染ファイナルエクスプレス
ダーティ・グランパ
ミューズアカデミー
ドラゴンマッハ
沈黙
雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
トリプルX再起動
ララランド
バンコクナイツ
お嬢さん
アシュラ
エイミー・エイミー・エイミー
コクソン
キングコング
娘よ
まんが島
ムーンライト
ハードコア
レゴバットマン
はらはらなのか
パージ大統領令
グレートウォール
ろくでなし
イップマン継承
スイート17モンスター
ワイルドスピード アイスブレイク
無限の住人
草原の河
スプリット
マンチェスター・バイ・ザ・シー
メッセージ
夜明け告げるルーの歌
BLAME!
20センチュリーウーマン
怪物はささやく
セールスマン
ハクソーリッジ
ありがとうトニ・エルドマン
コンビニウォーズ 
メアリと魔女の花
銀魂
君の膵臓を食べたい
ローサは密告された
蠱毒ミートボールマシン
ベイビードライバー
逆徒
super tandem
night safari
山の郵便配達
アラバマ物語
奇跡の人
浮雲
愛と悲しみの果て
アンタッチャブル
突然炎のごとく
セント・オブ・ウーマン
グッドウィル・ハンティング
アイ・イン・ザ・スカイ
太陽をつかめ
劇場版ガルパン
プッシャー
プッシャー2
プッシャー3
ヴァルハラ・ライジング
ブンミおじさんの森
光の墓
世紀の光
オネアミスの翼
トップをねらえ1&2
マインドゲーム
その男凶暴につき
アメリカンヒーロー
ゴジラ
キックボクサー リジェネレーション
ブレアウィッチ
ミスティックリバー
恐怖分子
はじまりはヒップホップ
クーリンチェ少年殺人事件
無防備都市
魔王
赤の女王
SHARING

第30回東京国際映画祭

例年スルーしてきた東京国際映画祭だけど、今年はガッツリ参加してきた。鑑賞した作品の感想はツイッターで呟くとして、こちらではダラダラと総括的なことをまとめておこうと思う。今年の体験が来年度以降の参考にでもなれば。

 

■取れないチケット

とにかく取れない。幾つかの作品を事前抽選制、その他の作品も部門ごとに土日の午前/午後と4つの時間帯に分けて販売開始にしたのに、結局開始時刻にはアクセス過多でページがダウンして繋がらなかった。ちなみにチケット購入ページの案内が販売開始以降も全くなかったので、チケット購入レースの第一関門が購入ページへのリンクを探すという残念な展開に。一番観たかった作品「スリー・ビルボード」も90分ほどかかって購入ページに繋がった時は、残り10席程度で滑り込みの購入となった。同じタイミングで販売を開始した他作品は完売していたものもあった。昨年ニュースにまでなったチケット取れない問題は全く解決しておらず、更に4回に販売タイミングを分けたせいでPCから離れられず、土日の外出が出来なくなってしまったという残念な結果に。

PCでは繋がらないけどスマホでは繋がるという事があったので、色々な接続方法でチケットページへのアクセスを試みるのが良いと思う。アイフォンだと繋がりやすいという真偽不明の情報も流れていた。

 

■チケットの追加販売

とはいえ、映画祭の運営が確保してただろう追加分のチケットを購入する事ができたので、結局は観たい作品を観る事ができた。90分もかけて取った「スリー・ビルボード」のチケットも前日に数席だけれども追加販売があったので、チケット購入で慌てる必要はなかったなと反省、次回みんなも気を付けよう。ジャニーズの登壇があるのでプレミア化していた「鋼の錬金術師」でさえ、前日の追加販売で購入する事ができたので、チケットに関しては諦めるのは良くないと結論。1番の話題作の「シェイプ・オブ・ウォーター」とゴア元副大統領が登壇する「隠された真実2」は確認できなかったけど、それ以外は大体追加販売があったと思う。

 

■追加販売に関してメモ

特に決まった時間帯で追加販売されるということは無いようだったけれども、深夜や午前中の追加は無かったような。それと複数作品同時に追加されるので、別作品の追加を確認したら、目当ての作品のチケット状況を確認すると良いかも。前日だけでは無くて数日前にチケット追加の場合もあるので要注意。当日追加はあまり記憶に無いけど、購入画面で誰かが確保していたチケットが、結局購入されずに再販売って事は良くあるので数分置いて再チェックしてみるのも大事。運営も後方の末席を追加に回すので、座席位置に期待はしてはいけない。追加から1時間もすれば完売してしまうので、希望の作品がある場合は30分置きに確認すれば良いと思う。バカっぽいけどこの方法でグランプリ作品のチケットをギリギリ前日に購入できたのでやっぱり大事なこと。ちなみに最終日のグランプリ作品上映のチケットは早々に完売して、グランプリ作品発表後にチケットの追加は無かったので早々にチケットは抑えておこう。観た作品が上映される可能性もあるけれども、良い映画は2回見ても良いじゃない。

劇場前のチケットセンターに行けば、オンラインに出ていない追加チケットが買えるんじゃないかとも考えたけれど、端末で一般販売と同じ画面でチケット状況を確認していたので、望みは薄いと思う。

  

■座席について

絶対に右寄りの座席がいい。字幕がスクリーンの右端に付くから。

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たとえば一番大きいスクリーン7の左端に座ろうものなら、字幕をみるのに苦労してしまうので、選択をする余裕があるなら左端は避けた方が無難。特に前列は要注意。スクリーン7以外なら別にそこまで広くないので、場所にこだわる必要は無いと思う。ちなみに画面真下には英語字幕が付く。

 あとスクリーンによっては設置されているプレミアムシート。+500円で荷物も置けるし、物食べても隣に気を使う必要ないしで座り心地以上に快適なのでお勧め。どうせヒルズのコインロッカーに荷物を置く予定ならプレミアムシート良いかと。六本木TOHOシネマは傘立てが椅子に付いていないので雨具置きとしても重宝。

 

■EXシアター

コンペ作品の上映会場としてよく使われていたEXシアター。ヒルズから近いから迷わないとは思うけど、トイレが館内に少ないので気をつける事。あとドリンク売り場が隠れているので、初見では見つけられないと思うけど、隠しイベントみたいなものなので時間があれば探してみよう。映画館ではないから設備が貧弱なので、TOHOシネマでも上映がある作品なら、そちらを選んだ方がよいかも。椅子にドリンクホルダーが無いので、飲み物の置き場所に困る。手すりに置くと、キレイに滑って後方の席に大迷惑なので気を付ける。

 

 

■タイムスケジュール

公式が出しているタイムスケジュールは開始時間と映画自体の上映時間だけなので、単純にその数字だけ観て予定を組むと、舞台挨拶やQ&Aが思いのほか時間がかかることがあるので気を付ける。長くても30分なので、そのくらいは余裕をみてスケジュールを組もう。もちろん上映時刻のタイミングに応じてQ&Aなどを切る勇気も必要。ちなみに開始時刻は予告編もない事から時間ぴったりに本編上映となるので、シネコン気分でダラダラくると大変迷惑。

 

■コンセッション

普通にやってる!TOHOシネマのちょびっとチキンは悪魔的おいしさ。f:id:kiratta:20171105002335j:plain

2016年映画ベスト10

 2016年は映画大豊作の年だった。どうしちゃったの。

映画を見に行く側としては、どの映画を切ってどの映画を観に行けばいいのかの判断がすごい難しくなったし、チャレンジ感ある上映をしているミニシアターから足が遠のいてしまったような気がする。

だってヒューマントラストの未体験ゾーン特集とか、シネマカリテのカリコレなんかに行ってる場合じゃないくらい期待作目白押しなんだもの。それに加えてネット限定公開の映画やDVDスルー作品、最近やけに力の入っているドラマシリーズなど、そろそろ体力尽きた映画オタクがバタバタと倒れていくんじゃないかというくらいのコンテンツの充実ぶり。

ミニシアターもシネコンに対抗して各種イベントを催すようになり、時間もお金も足りません。それでたまに反省して、思わぬ拾いものを拾いにイメージフォーラムユーロスペースあたりに遠征して大火傷をしてくるのも、大事な映画体験だと思います。

 

さてさて、そんな盛り上がりを見せてる映画界隈、オタの明日はどっちなのかは分からないけれども、誰か最近はやりの映画コンに参加してきて感想を教えて頂けないものだろうか。これだけ複雑になっている映画界隈で、オタとオタは分かり合えるのだろうか。

毎年恒例のベスト映画、例年は5位までしか選ばないんだけども、今年は世間にならって10作品を選んでみました。(というか絞り切れなかった。今年はベスト20くらいでも良いくらい)その時々の気分で平気でランキングが乱高下する適当なランキングなので軽い気持ちで見てやってください。

 

映画秘宝とかキネ旬のベストと比べてみよう!

 

10位 「続きをしよう」 ※鬼談百景より

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「慚残」のスピンオフ短編集に収録の「続きをしよう」が恐ろしく出来が良かった。

墓地で勢いよく走りまわる大勢の子供たち。思いっきり転んだり、倒れてきた墓石の下敷きになったりと、1人また1人と大怪我をして帰っていく(かなりのゴア描写!)が遊びが終わる様子はない。次々と血まみれで笑顔で帰っていく子供、残って遊ぶ子供たちの表情が徐々に曇っていく。大怪我をしないと帰れない。このまま墓地に残ってしまうとどうなってしまうのか。短編映画とは思えない引き込みぶりで画面から目が離せなくなる。とうとう最後の1人になってしまった子供の前に・・・・例のアレが!

ホラー映画が怖いって思ったのはずいぶんと久しぶり。必要以上に爽快なスプラッタ―音と子供の笑顔が見事に不快。

ラストのあのシーンは演出力に自信がないとそうそう撮れないシーンだと思うんだけれども、良い監督に恵まれた作品だなぁと。

 

内藤瑛亮監督はデビュー作の「先生を流産させる会」で扱ったテーマが嫌いという理由だけで喰わず嫌いしていたけれども、本作を機にキチンと過去作も鑑賞しました。きっと数年もしたら邦画の大作映画を任されるんだろう。

さっそく映画じゃなくてホラーオムニバスビデオを入れてしまった。

 

9位 「シン・ゴジラ

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要は「ゴジラ」では無くて、夢にまで見た新井英樹の怪獣漫画「ザ・ワールド・イズ・マイン」の実写映画版なんだよね。

突如現れた怪獣に振り回される政府、それこそ首相から末端の公務員までを群像劇として描いた傑作漫画を、マイルドにかつアニメチックに庵野風の味付けにしてみました的な作品。「ザ・ワールド・イズ・マイン」を読んだ時の興奮が想起されるくらいにはよく出来ている映画だったかなと。

でもでも深作版の「シン・ゴジラ」が僕は見たいよ!(深作欣二が晩年に「ザ・ワールド・イズ・マイン」の実写化を目論んでいたとか)

 この映画、恐ろしく編集のテンポが良いのでただの会話シーンでもとても爽快感があるんだけど、これを往年の日本映画の演出テンポへの回帰・オマージュだと誉めている評論もあるけれども、どちらかというと深夜アニメのノリで演出しているんじゃないかなと思ってみたり。。。

 

庵野版の「実写キューティーハニー」を僕は昔大絶賛したので、「シン・ゴジラ」でもやってくれると信じてた。でも発生可能上映で「見せてもらおうか!庵野の実力とやらを!!」ってみんなで叫ぶのは、やっぱり恥ずかしいと思うぞ!

 

8位「星くず兄弟の新たな伝説」

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 東京国際映画祭のオールナイトで鑑賞。劇場公開はもう少し先になりそう。

手塚眞監督の「星くず兄弟の伝説」の30年ぶりの続編!という全くキャッチ―さの無いキャチコピーだけれども観てよかった。

自主映画の方が商業映画よりも面白いと言うわけでは無いけれども、自由に好きな物が撮れるのは間違いなく自主映画。自分が出資者だったら絶対に止めるようなとんでもない展開も監督が好き勝手に次々と作品に放り込んでくる。(本作は正気を疑うレベル)

監督が好き勝手にやっている作品なので、波長が合うか合わないか!好きか好きじゃないかだけの話なので、自分としては最高の作品だったけど他人に勧められるかどうかは自信が無い。

自主映画で商業映画の縮小再生産映画を作っている人にぜひ見てほしい。

クラウドファンディングで200万円払うとCGで作中に登場できるらしいんだけど、これは正直アリだと思う。お金ないけど。

a-port.asahi.com

  

7位「蜜のあわれ

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二階堂ふみちゃんが可愛い。

とても可愛い。

金魚の精霊ふみちゃん。

 「狂い咲きサンダーロード」「爆裂都市」を抑えて、石井岳龍監督最高傑作!

週1で見返したくなる可愛さ!

 

6位「エンド・オブ・キングダム

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 祭りだ!祭りだ!

ハリウッドが潤沢な予算をつぎ込んで作ったフェスティバルムービー第二弾!各国首脳が次々と盛大に暗殺されるシーンや、あくまで人海戦術と力技でロンドン中を襲撃するテロリストたちなど、盛り上がれば細かい事はいいんだよ!というマインドがスクリーンからあふれ出ている今年一番のほっこり映画。

前作の北朝鮮ホワイトハウスに攻めてくる展開も大好きだけれども、今回は建物ではなくロンドン中の市街地が戦場なので、より盛大なフェスティバルが楽しめる趣向となっている。正直ドラマパートは一切記憶に残っていないので、前作の設定とかキャラとかよく分からないし、今回仰々しく死んだアイツが誰だったかのかも良くわからなかったけど、細かい事は気にしちゃ祭りは楽しめないんだ。

 

アントワン・フークワ監督が今回外れたので、作品のテイストが変わってしまうのを懸念したけれども、ビックリするくらい何も変わっていなかった。どうなっているんだ。

続編もあるらしいので期待大。

ハリウッド毎年の恒例行事として永遠に作り続けてほしいシリーズ。

鉄砲バキューン!爆弾ドカーン!

 

5位「葛城事件」

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スーサイド・スクワッド」に出てくる犯罪者軍団より、よっぽど怖いよ三浦友和

監督の赤堀雅秋さん演出のお芝居を以前観たときに、日本の一般家庭の中にあるジメジメとして不穏で嫌な感じを表現するのが上手い人だなぁと思ったけれども、映画監督としての手腕も高かったようで日常系映画の極北ともいえる完成度。(不快指数マックス!未確認生命体マックス!)

とにかく出てくる飯が全部不味そう。

 レンタル屋での本作のジャンルがホラーじゃなくてドラマになってるんだけども、心に傷持つ家族の再生の話と勘違いしてみんなに借りてほしい。みんなもトラウマになればいい。

 

監督の前作「その夜の侍」も個人的には大ヒット。

劇団も活動休止してるみたいだし、このまま映画監督一本でいくのも有りだと思う。

  

4位「サウルの息子

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トラウマ映画といえば「サウルの息子」も生涯ベスト級のトラウマ映画。(葛城事件と違って良いトラウマ)

強制収容所で働くユダヤ人が、死んだ息子の埋葬をするために奔走するというストーリー的な面白さはもちろんの事、この手の映画としては考えられないくらい斬新な撮り方(全編ピンボケで肩越しからのスタンダードサイズ撮影)をしていて、かつそれが上手くいっているという稀有な例。いや奇跡。

「携帯電話で撮影しました」「全編ワンカットで撮りました」といった撮影技法を売りにしている作品の多くが手法ありきで作られているのに対して、この映画を撮るにあたってはこの技法以外は考えられないほど、作品のメッセージと撮影技法が融合していた。正直、作品世界に入り込み過ぎて途中から逃げたくなった。

 

ネメシュ・ラースロー監督が同じ撮り方で作った短編映画「With A Little Patience(原題:ちょっとの我慢)」も中々に強烈。

 ホラーも怖いけどホロコーストも怖いよ怖いよ。

  

3位「神様メール」 

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ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の映画は、いつも観終わった後に口ポカーンで「オッサン好き勝手な映画作りやがって!」(誉めている。)となる事が多いんだけれども、今回も最高だった。

お話の唐突さ、カトリーヌ・ドヌーブがゴリラと付き合うあたりの説得力の無さとか(ゴリラっぽいオバサンって以外の理由が見当たらない)ラストの奇跡のくだらなさとか、今回も監督の頭の中にあるイメージだけで映画一本やり切ったね、と心の中で拍手喝采。細かい事はいいんだよ!(重要)

ベルギーはジャコ・ヴァン・ドルマル監督に好きなだけ予算を与えて、自由に映画を撮らせ続けるべきだと思う。 

 まさかのTOHO系映画館でがっつり全国公開されていたから、ポップで可愛いガールズムービーをイメージして観に行った人が沢山いたんだろうな。

自分の突いてほしいツボを存分に押して貰えたので、これはDVD買っておこうと思う。

 

 2位「みかんの丘」

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コーカサスの国グルジアで起きた紛争を背景に人間の尊厳を描いた小品。

語り口がとにかくスマート。テーマが難解だからといって映画自体を殊更に難解にする必要は無いよなと感心。作劇的な起伏、登場人物に舞台設定などを極限まで削ぎおとして、キレイに作品の本質だけが残ったような、下手をするとテレビドラマ並みに平坦になりかねないところを演出で見事にカバーしていて信じられない。アブハジア紛争に興味が無い人でも、紛争と人間について少なからず何かを感じ取れる事ができるはず。

馬鹿にも薦められる紛争映画ってキャッチコピーを付けたい←

こういう万人向けの映画こそ、岩波の客層じゃなくてピカデリーのみんなに観てほしいんだけど、どうすればよいんだ。

岩波のご年配方だけの映画にしておくのは本当にもったいない。

 

 岩波つながりで、エルマンノ・オルミ監督の新作「緑はよみがえる」が、観たときはそこまでではなかったけど、余韻がいつまでも尾を引く良作だった。今回の監督賞はオルミで。

  

 1位「この世界の片隅に

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の、のんちゃーん

あらゆる人が全方向から誉めているんで、僕としては何も付け加える事が無いんだけれども。きっとこの作品はこれから何年後かにテレビ放送されて、国民的なアニメとしてジブリ作品同様に日本中から愛される作品になるんだろうなって確信してる。

今まで映画上映後にスクリーンに向かってする拍手って意味ないなと思ってたけど、この作品に関しては上映終了後に無心で拍手をしてしまった。

そういえば映画館で同じ映画を2回観たのは初めて。 

何も言わずにみんなももう1回観に行こう!

  

以上。

2016年は楽しみな映画が多すぎて人生で一番映画館に行った年だと思う。

基本雑食系で色々見ているけれども、「スーパーヒーロー映画は見ない」「邦画の自主映画はそんなに追わない」「旧作は必要に応じて観る」あたりの心理的ブレーキがまだ僕にはあるので(ガバガバだけど)本当に何でも観る映画オタの人は、今年過労で死んじゃったんじゃなかろうか。

「ポッピンQ」とか「スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド」とか「ディーパンの闘い」とか「クーパー家の晩餐会」どか、語り始めると終わらないほどまだまだ良作が沢山あった年だったので、2017も良い映画に沢山巡り合えると良いと思います。

さすがに観る本数は減らそうかなと。

 

2016年映画ベスト10 

1「この世界の片隅に

2「みかんの丘」

3「神様メール」

4「サウルの息子

5「葛城事件」

6「エンド・オブ・キングダム

7「蜜のあわれ

8「星くず兄弟の新たな伝説」

9「シン・ゴジラ

10「鬼談百景」